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自走式駐車場の構造

※このサイトは綿半ソリューションズ株式会社をスポンサーとして、Zenken株式会社が運営しています。

目次

自走式駐車場の構造が
重要な理由

構造方式と駐車効率・
安全性の関係

自走式駐車場は、ラーメン式やブレース式などの構造方式によって駐車台数やスロープの勾配設計が変化するため、設計可能なレイアウトも変わります
地震や台風などの災害時の安全性を確保するためには、構造計算と接合部の設計、耐震壁の設置などにより、十分な強度と耐力を確保することが重要です。

耐久性・メンテナンスコスト
への影響

自走式駐車場のメンテナンスサイクルや補修コストは、鉄骨造やRC造といった構造や、ブレース配置などの設計によっても変わります。荷重分散が十分考慮されていなかったり、鉄筋の配置が不適切だったりすると、想定よりも早く損傷してしまいます。

数十年にもわたる長期間の使用を見据えたライフサイクルコスト(LCC)の視点が必要です。

施工性・工期・初期コスト

自走式駐車場は、構造がシンプルで部材の標準化が進んでいるほど施工しやすくなり、工期短縮や初期コストの削減につながりやすくなります。
プレキャスト工法やユニット工法を導入するのか、どんな構造方式を選択するのかなど、設計者と施工者が連携しながら、より適した構造や工法を見極めていくことが重要です。

床型式(架構形式)と特徴

自走式駐車場の床形式は、主に次の3種類があり、それぞれに特徴があります。

フラット式

フラット式自走式駐車場イメージ

各層のフラットな駐車区画をスロープでつなぐ方式がフラット式です。

平坦な床を広く確保できるため、幼児や高齢者、車いす利用者らも利用しやすく、商業施設や病院などに適しています。

見通しを良く、階数を容易に把握できるためスムーズな駐車や位置の把握ができるほか、人と車の動線を分けられるため、比較的高い安全性を確保できます。

スキップフロア式 /
フラット段差式

スキップフロア式 / フラット段差式自走式駐車場イメージ

フラットな駐車フロアを半階ずつずらして設置し、スロープでつないだ形式が、スキップフロア式(フラット段差式)と呼ばれる形式です。

スロープが短いため、慣れないドライバーでも駐車しやすいほか、一定方向に回りながら半階ずつ上下するため空き区画を探しやすく、動線も単純で安全性にも優れています。

駐車効率に優れているのが特徴で、集合住宅や一般の時間貸駐車場、傾斜や段差のある敷地にも適している形式です。

連続傾床式

連続傾床式自走式駐車場イメージ

フロア全体を緩やかに傾斜させ、らせん状に各層をつないでいるのが連続傾床式です。
昇降用のスロープが駐車区画を兼ねているため駐車効率に優れており少しでも収容台数を確保したい時間貸駐車場などに向いています。ドライバーもスムーズに移動しながら空き区画を探すことができます。

ただし、ほとんどの駐車区画は傾いているため、慣れていないドライバーは注意が必要です。

床式別 自走式駐車場の事例

イオンモール川口の自走式立体駐車場(綿半ソリューションズ施工例)

フラット式:イオンモール川口

  • 階層:6層7段
  • 構造:ラーメン構造
  • スパン:ショートスパン
  • 収容台数:840台
  • 21,956㎡

歩行者動線やカート利用を考慮し、フラット床形式を採用。6層7段・840台規模の施設において、快適性と安全性を重視した計画事例です。

鹿児島厚生連施設の自走式立体駐車場(綿半ソリューションズ施工例)

スキップ式:鹿児島厚生連施設

  • 階層:4層5段
  • 構造:方杖・ブレース式
  • スパン:ロングスパン
  • 収容台数:263台
  • 6,772㎡

病院利用者の移動負荷を抑える目的でスキップ式を採用。勾配確保と静音性の両立により、診療施設併設型としての要求に対応しています。

豊洲新市場の自走式立体駐車場(綿半ソリューションズ施工例)

連続傾床式:豊洲新市場駐車場

  • 階層:5層6段
  • 構造:方杖・ブレース構造
  • 収容台数:707台
  • 16,162㎡

スロープと通路を兼用する連続傾床構造により、車両動線をコンパクトに集約。物流対応を見据えた効率的なフロア構成が特徴です。

主な構造方式と特徴

ラーメン式(剛架式)

ラーメン式(剛架式)

柱と梁を強固に接合したフレームで建物を支える構造が、ラーメン式(剛架式)と呼ばれる方式です。

壁で建物を支える必要がなく、柱の間隔を広く取れるため、開放感のある空間をつくりやすいのが特徴。駐車区画を柔軟にレイアウトできるほか、将来のレイアウト変更やリノベーションにも対応できます。

柱と梁が剛接合されているため耐震性は比較的高く、安全面でもメリットがありますが、鋼材量が多くなるためコスト高となる傾向があります。

ブレース式(筋交い補強)

ブレース式(筋交い補強)

柱と梁に加え、ブレースと呼ばれる斜め材を入れた筋交い補強により剛性を高めた構造がブレース式です。

地震や風による水平方向の力に対する強度を確保しやすく、ラーメン式に比べて柱や梁の断面を小さくできるため、鋼材の量を抑えられる可能性があります。
また、柱の間隔を広く取ることができるため、視認性も良くなります。

ただし、ブレース部分には駐車区画を設定できず、動線も妨げられることから、レイアウトが制限される可能性があります。

方杖ブレース式・
両方向ブレース式

方杖ブレース式・両方向ブレース式

柱や梁が交わる端部に方杖(ほうづえ)状のブレースを設ける方杖ブレース式や、X字型やY字型など多方向にブレースを配置した自走式駐車場は、柱や梁の負担を分散し、高い耐震性を確保しています。

方杖ブレースは、ブレースを設置した一方向の水平力に特に効果を発揮するほか、両方向ブレース式は建物全体の変形を抑制してくれます。

いずれもブレースの配置によってはレイアウトの制約が増えてしまいますが、大規模駐車場で安定性を得られるメリットがあります。

構造別 自走式駐車場の事例

大阪大学医学部付属病院の自走式立体駐車場(綿半ソリューションズ施工例)

ラーメン式:大阪大学医学部付属病院

  • 階層:2層3段
  • 床型式:フラット式
  • スパン:ショート
  • 収容台数:434台
  • 7,049㎡

柱スパンを広く確保できるラーメン構造により、視認性と可変性の高いレイアウトを実現。安全性と将来的な柔軟性を備えています。

ヤマト運輸沖縄糸満ロジセンターの自走式立体駐車場(綿半ソリューションズ施工例)

ブレース式:
ヤマト運輸沖縄糸満ロジセンター

  • 階層:4層5段
  • 床式:スキップ式
  • スパン:ショート
  • 収容台数:246台
  • 5,775㎡

コスト効率と構造剛性のバランスを考慮し、ブレース構造を採用。物流施設としての導線計画と視認性に配慮した設計です。

コルネ石川の自走式立体駐車場(綿半ソリューションズ施工例)

方杖ブレース式:コルネ石川立体駐車場

  • 階層:4層5段
  • 床型式:連続傾床式
  • スパン:ロング
  • 収容台数:474台
  • 8,958㎡

車室前方に柱が出ない方杖構造により、マス入れ性と視界性を向上。大型施設向けに適したスパン構成を実現しています。

綿半ならではの
スーパーロングスパン

スーパーロングスパン

柱のない開放空間で、
駐車がもっとスムーズに

綿半ソリューションズの「スーパーロングスパン」は、柱間最大17.2mの開放的な設計により、中間柱やブレースを排除。見通しが良く使いやすい駐車環境を実現します。

斜め駐車など柔軟なレイアウトが可能で、利便性と自由度に優れています。

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利便性・安全性を重視した
構造提案の選択肢として

スーパーロングスパンは、もともとは空港や大型商業施設で、カート利用時の柱の煩わしさを解消するために開発した構造です。柱や梁が大きくなるぶんコストは上がりますが、広くて見通しのいい空間は使いやすさに直結し、出入りの時間が集中しやすい従業員駐車場などでも高く評価されています。

特に柱への接触事故が多発していた現場では、「安全性と利便性を両立できる」として導入されました。導入事例が増えるなかで、写真を見たお客様から「この広さがいい」と直接ご指名いただくケースも増えています。

材料・工法別の特徴

鉄骨造(S造)

鉄骨造(S造)は強度の高い鋼材が柱や梁の材料となっていることから、柱間のスパンを大きく取ることができ、レイアウトの自由度が高くなるのが特徴です。また、工場で製造した材料を現場で組み上げるため、工期を比較的短くすることができ、連続傾床式などで広い空間を確保したい場合に採用されやすくなっています。

一方で、鋼材は耐火被覆や防錆処理が欠かせず、定期的なメンテナンスが必要になることがコスト面に影響します。

鉄筋コンクリート造(RC造)

鉄筋コンクリート造(RC造)は、材料のコンクリートが経年劣化に強いことなどから耐火性が高いことが特徴で、火災リスクのある地域や防火地域での優位性があります。遮音性も高く、商業施設や住宅地など静穏性が求められる地域にもむいています。

工期が長くなる傾向がある上、自重が重いことから地盤や基礎の補強が必要になるケースもありますが、長期耐久性に優れ、メンテナンスの手間も少ないのは大きなメリットです。

プレキャスト工法・
ユニット工法

プレキャスト工法やユニット工法は、品質管理された工場で部材を製造した上で現場で組み上げるため、品質が安定する上に、現場の天候の影響を受けにくいことから工期を短縮させることが可能です。柱や梁、床スラブをプレキャスト化し、施工効率を高める事例が増加しています。

一方で、部材の搬入や仮置きのためのスペースを確保しなければならず、組み上げのための大型クレーンも必要となる点に注意が必要です。

耐震設計と荷重検討

地震力・風荷重への対応

自走式駐車場の耐震性や荷重について検討する際には、まずは建築基準法や施工令に基づく構造計算を実施し、地震力や風圧力などの水平力に対してどの程度耐えられるかを示す保有水平耐力などを確認します。その際は、車両の走行や制動に伴って生じる動荷重や、風による吹き上げ力、局所的な風圧の増加なども考慮に入れた計算をする必要があります。

耐震壁やブレースの適切な配置や、剛接合部の設計で耐震性を高めることも重要です。

荷重伝達と接合部ディテール

建物に加わる荷重や地震力などをスムーズに地盤に伝える経路を確保する荷重伝達と、部材同士をつなぎ合わせて力を伝達できるようにする接続部ディティールは、安全性と耐久性の確保のために極めて重要です。

特に、柱や梁、ブレースの接合部(仕口)の設計は安全性を左右します。鉄骨造なら溶接やボルト接合で、またRC造なら鉄筋の定着長さやコンクリートの強度を確保することで安全性を向上させます。規模の大きい駐車場では、多層階で荷重を分散させる必要もあります。

特殊地盤や傾斜地での基礎計画

軟弱で液状化の可能性もある特殊地盤や、傾斜地における基礎計画には、通常とは異なる配慮が必要です。地盤の強度向上のための地盤改良や、固い地盤まで杭を打ち込んで基礎にする杭基礎を選択した場合は、地震が起きた時に発生する液状化や不動沈下に配慮しなければなりません。

傾斜地の場合は、同じ階層に複数の高さのフロアを設置するスキップフロア式の設計を検討してもいいでしょう。地下階を設ける場合は、擁壁や止水対策も必須です。

駐車効率と構造方式の
バランス

スパンの取り方と
駐車レイアウト

自走式駐車場のスパンをどの程度取るかは、駐車レイアウトや駐車効率に影響するため、慎重に検討する必要があります。

スパンを大きく取れば柱の本数を減らせるため車両が出入りしやすく、駐車効率は向上しますが、梁せいが大きくなり鋼材量が増えます。
逆にスパンを狭くするとコストは抑えられる一方、柱の位置によっては駐車区画や動線が制限されます。ブレース式でX字ブレースを採用する場合はレイアウトの制限がより厳しくなります。柱の位置が駐車区画に干渉しないよう配置するノウハウが重要です。

カートを使う施設か、車椅子の方がよく使うのか、出入りの時間が集中することがあるのか──施設ごとの特性を正確に捉えた上で、無駄のない設計を行うには、蓄積された知見と的確な判断が求められます。

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専門チームによる柔軟な設計提案

綿半ソリューションズでは、約60名の駐車場専門スタッフが在籍し、敷地条件や施設の用途に応じた設計をスピーディーに提案。用途やニーズに応じてスパン構造や床形式を柔軟に選定し、パースの内製化による迅速な可視化提案も可能です。

病院や自治体案件にも対応し、法規制や認定要件を踏まえた実用的な設計を実現します。

スロープ勾配と構造的考慮

複数の階層がある自走式駐車場に欠かせないスロープの勾配をどの程度取るかは、駐車効率やコストに影響します。

スロープを長くすれば通行はスムーズですが、駐車区画が減ってしまい、コストも増える可能性があります。駐車効率と利用者の快適性のバランスを考慮し、10〜15%以内の勾配が望ましいとされています。駐車フロアを半階ずつずらして設置するスキップフロア式を採用して階高を抑え、勾配を急にしすぎない工夫が必要です。

コスト・施工・メンテナンス視点からの構造

構造方式による初期コスト比較

自走式駐車場の初期コストは構造方式によっても変わります。

ラーメン式は柱や梁の断面を大きくする必要があるため鋼材量が多くなりコストが高くなる傾向があります。筋交いを入れるブレース式のほうがコストは抑えられる可能性はありますが、設計の自由度が下がるなどのトレードオフを考慮しなければなりません。設計段階から複数案を比較検討するVE(Value Engineering)の手法が効果を発揮します。

施工時の注意点と工期管理

自走式駐車場の設置工事の工期に影響するポイントは、構造方式によって変わります。

主要な部材が工場で製作される鉄骨造では、部材の納期によって工期が変わります。RC造の場合は、現場での型枠設置や養生のためにかかる期間に影響を受けます。大規模な工事の場合は、仮囲いや足場などの仮設計画やクレーンの配置が施工性を左右します。構造体の精度を確保するのはもちろん、中間検査や完成後の早期の検査実施も重要です。

長期的メンテナンス・改修

自走式駐車場の安全性や機能性を維持するには、長期的なメンテナンスや改修が欠かせません。錆やひび割れ、漏水を放置すれば劣化が早まり、耐震性の低下にもつながります。躯体部分はもちろん、ブレースや方杖部の接合部などは定期点検が必要です。

塗装や防水加工、耐震補強など、構造部分を補修する際は、適切な工法を選択します。将来的なEV対応やスマート駐車場化を見越した、余裕のある設計にしておくことも大事です。

自走式駐車場の構造に
関するよくある質問

構造方式の選定にあたって重視すべきポイントは何ですか?

主に以下の項目を総合的に検討します。

  • 駐車効率・収容台数
    連続傾床式は効率高いが、ラーメン式やブレース式は区画割りの自由度で差が出る。
  • 耐震性・安全性
    ブレース式は剛性確保しやすく、地震力に強い。ラーメン式は剛接合部の設計品質が鍵。
    また、風による影響も考慮が必要。
  • 施工性・コスト
    ラーメン式は鋼材量多め、ブレース式は部材が少なくコスト抑制。プレキャストの活用可否も重要。
  • 維持管理性
    構造部材の目視点検や補修のしやすさ、将来的な耐震補強のしやすさを考慮。
  • 車両荷重
    様々な車種の重量や走行による荷重を考慮した設計が必要。
  • 耐久性
    長期間にわたって安全に使用できるよう、材料の選定や防水対策、排水計画などが重要。
  • 法規制
    建築基準法をはじめとする関連法規を遵守した設計。
ブレース式とラーメン式、どちらが耐震性に優れていますか?

ブレース式は、斜材が地震時の水平力を直接負担するため、高い剛性が得やすく、比較的少ない部材で耐震性能を確保できます。一方、ラーメン式は、柱と梁の剛接合により建物全体で地震力を分散しますが、接合部の設計・施工品質が性能を左右します。

どちらも適切な設計・施工が前提ですが、剛性確保や施工品質管理の点でブレース式がやや有利とされることが多いです。

連続傾床式を採用する際の構造上の注意点は?

主に以下の点に注意が必要です。

  • 床スラブの勾配:建築基準法や構造計算上で許容される勾配を超えないよう、梁せい・スラブ厚を十分に確保。
  • 排水・防水計画:傾斜床面は雨水が滞留しやすいため、防水層やドレンの配置を綿密に設計。
  • 剛性確保:勾配による床剛性低下を防ぐため、ブレース配置やラーメンフレームで補強。
  • 施工管理:勾配を正確に施工できる型枠やプレキャスト版の活用、現場での転圧管理が必須。
監修
6層7段 国土交通大臣認定を業界初取得
綿半ソリューションズ
綿半ソリューションズ株式会社
設計・構造提案から並走する
駐車場専門の技術パートナー
綿半ソリューションズ株式会社

綿半ソリューションズ株式会社は、自走式立体駐車場の設計・施工を専門とする専業メーカーです。
全国に多数の施工実績を持ち、用途や敷地条件に応じた構造提案を行うほか、設計段階からゼネコンや設計事務所と連携し、図面・法規・運用面まで一貫して対応。
6層7段構造において国土交通大臣認定(一般認定)を2016年12月、業界で初めて取得するなど、大規模・高層対応の先駆的な実績も有しています。


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当メディアについて
       

当メディアは、自走式立体駐車場の設計・施工に関わる専門知識を、実務目線で分かりやすく整理・発信する情報サイトです。構造・法規・寸法・防災・SDGs対応まで、多角的なテーマを扱いながら、建築・開発関係者の判断をサポートすることを目的としています。
制作・運営は、多数の業界特化型メディアを展開するZenken株式会社が行っています。